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僕は比較的、痛みに対して耐性が有る方だと思う
何故なら、幼少時から、数多くの痛みを経験して来ているからだ
耐性を作らないと狂ってしまう
幼心に、僕はそう思った
其れは正に真理で、痛みに対して段々強くなって行った
其れでも、或る日を境に
僕は『僕』を客観的に見る様に成った
『此の痛みを受けているのは、僕じゃない』
そう思う事で、痛みから逃れる様になった
其れが間違った事だとか、歪んだ事だとか
そんな事を考える余裕すら無く、僕はそう成って行った
そして、何時の日か、僕は
自分の身に受けた傷や痛みは、自分の物では無いと疑わない様に成り
其の頃には、僕は『僕』というオブラートで包まれた生き物に成って居た
そして、時間は流れ、僕は大人に成った
大人に成った今でも、或る一定以上の痛みを身体に受けると
意識が薄れ、自分を客観視する自分に気付くのだ
此の状態を何と呼ぶか、僕は勿論知っている
長い間、独学とは言え、精神カウンセリングの勉強を続けて来たのだから
病名を付けるのならば、其れは【解離性障害】
俗称でいう所の【分裂症】或いは【多重人格障害】という奴だ
此れに関して、僕自身、自覚症状は殆ど無い
子供の頃の話に遡るが、幼少時
目が覚めたらベッドが泥塗れだった事が度々有った
目撃者の話に依ると、僕は裸足の儘で町を徘徊し
声を掛けるときちんと反応する上、対応も自然で或るにも拘らず
僕自身に、其の時の記憶は一切無いという物だった
僕に理解出来た自覚症状は、精々其の程度の物だった
今現在、幾つかの病院を巡り、有りと有らゆる検査を受け
【解離性障害】としての診断を受け、自立支援控除というものを受けて
治療負担額が軽減されるという権利を有している
其の御蔭も有って、僕は毎月病院に通い、薬を処方して貰い
其れなりに安定した生活を手に入れる事に成功した
そして、気が付けば
僕を包んでいた『僕』は、何時の間にか身を潜める様に成った
其れも全ては、常に傍らに居て呉れる
明日香の御蔭で有ると、僕は信じて疑って居ない
其れでも、痛みや苦しみがピークを迎えた時にふと顔を出す
僕を包む『僕』が、明日香を苦しめたりしないかが、僕は不安なのだ
何故なら、其の時の僕には、記憶という物が無いから
無意識に明日香を傷付けたり、苦しめたりしていないか
其れを図る術を、僕は持っていないから
───話を戻そうか
僕は、医師に言わせると【解離性障害】という病気を持つ患者だが
自分自身では、其の自覚症状は一切無く
何時、其れが顔を出すのかすら、全く解らない
解っているのは、痛みや苦しみがピークを迎えた時に
出現する可能性が有る、という程度の話だ
此れを書いている現在、僕は前日に抜歯を行い
其の痛みに随分と苦しんだのだが、僕を包む『僕』が出て来た憶えは無い
若しかしたら、何処かで顔を出したのかも知れない
けれど、やっぱり、僕には其の自覚症状が無いのだ
或る意味、此れは恐怖を感じる事柄だけれど
僕を包む『僕』は、少なくとも僕を痛みから守って呉れる
味方なのかも知れないと思う時が有る
───そして、こうも思うのだ
其の『僕』を苦しみから守って呉れる存在は、居るのだろうか、と
僕は『僕』に依って守られているが
僕を守る『僕』を守る存在は存在して居るのか、如何か
居ないのであれば『僕』が
若しも居るのであれば、今度は其のヒトが
苦しみを肩代わりする其のヒトの痛みは、誰が癒すのだろうか?
僕の苦しみは、明日香が癒して呉れる
けれど『僕』には、癒して呉れる存在が居ないのかも知れない
そう考えると、僕の胸は正直に痛む
僕の痛みを肩代わりして呉れて居る『僕』にも
如何か安息が有る様にと、願って已まない
僕を痛みや苦しみから守る為に産まれた『僕』
そんな彼にも、如何か救いや安息が有る様にと
そう願う事は、滑稽だろうか?
痛みから逃げて、全てを彼に押し付けた僕には
そんな事を言う権利は無いのかも知れない
けれど、少なくとも、一番最初に僕を守って呉れた『僕』も
幸福に成って欲しいと願う事は、決して無駄じゃないと思うから
だから、一度で好いから、御願い
僕の声に応えて、声を聴かせて
其の時には、僕は心からの想いを込めて
君に───『有難う』───と告げるから
一度目は、18の冬
結婚して一年足らずの頃に、一番最初の妻にこう言われた
『貴方、浮気してるでしょ?』
実際には、事実無根だった
僕は潔癖だったし、完全な濡れ衣だった
けれど、どう説明しても弁明しても、彼女は納得して呉れず
結局、其の儘、浮気を疑われたままで、彼女とは離別した
二度目の結婚は、確か23の頃
長い間、友人として付き合ってきた女性と籍を入れた
其の結婚生活は穏やかで、人生で初めて安らぎを手にしたと言えるものだった
そう、彼女とは、強い信頼で結ばれていたと思う
けれど、僕達は別れた
其の理由は、単純明快
僕が、明日香と知り合ったからだ
当時の妻……此の先は元妻、と表記するが
元妻は、僕が明日香に惹かれて居る事に、誰よりも先に気付いた
そして、たった一言、僕にこう告げた
『一緒に生きて行きたいと思える人と出逢えたんだね』
強い後悔、罪悪感……様々な感情が僕を襲った
けれど、僕には其の時既に、明日香に対する感情を抑えつける事は出来なかった
そうして、結婚から約二年
僕と元妻は何の諍いも起こさぬまま、平穏に離別した
今にして、思う
明日香との出逢い其の物は、間違いなく運命だったと
しかし、其の運命も幸福も、少なくとも元妻の犠牲の上に成り立っているのだという事を
僕は決して、忘れては成らないのだと痛感する
犠牲の無い幸福は無い
そんな現実を噛み締めながら、僕は今日も生きている
外でも無い、僕が選び愛した、愛しい明日香と共に
物質(酒、煙草、薬物等)
或いは行為(買い物、ギャンブル、SEX等)に、精神的、または身体的に其れを拠り所にする事により
心の落ち着き、若しくは安らぎを感じる、心の病の一つ(※引用:はてなダイアリー)
僕は、色々なモノに依存しながら生きている
先ず、煙草
次に、アルコール(現在禁酒中)
昔は薬物にも依存して居た
そして、何よりも依存して居るのが
外でも無い、大切な恋人である、明日香にである
『彼女が居ないと生きて行けない』なんて
陳腐なドラマの台詞の様な言葉が有るけれど
僕は正に、其れで或る
明日香と離れている時間が、怖い
彼女の身に何かが遭ったらと思うと、居ても立っても居られない
だから、僕は色々な事をして、そんな気持ちを落ち着ける
例えば、制作活動
或いは、インターネット
今の所、此の二つによって、何とか気持ちを繋いでいる
此れが無かったら如何なって居たかと、考えるだけで恐ろしい
僕は、依存症である
其れ自体に、否定も拒絶も無い
けれど、其の対象が人間で在った場合
其れは依存症ではなく、『恋』と呼ぶのではないのだろうかと、思う
世に言う【ロリータ・コンプレックス】というのが在るけれど
僕は自分自身を【アリス・コンプレックス】だと自認している
相違点は 相手の年齢
ロリータ・コンプレックスは 12~15歳程度に対しての性癖
アリス・コンプレックスは其れ以下の年齢に対して性衝動を持つ事
結果、僕は【アリス・コンプレックス】で在る
近年、3~7歳の少女に対する性癖は ハイジ・コンプレックスと呼ばれたり
其れ以下(3歳未満に対して性衝動を持つ者)を ベビー・コンプレックスと呼んだりするそうだ
けれど、細かい分類は此の際、如何でも好い
何故なら、僕が自身を【アリス・コンプレックス】だと自認する由来が
ルイス・キャロル原作の『不思議の国のアリス』を初めて読んだ時から
小さな少女への性衝動を持ったからだ
当時の僕は 小学生
此の時点では、別段不思議ではない衝動だったとも思う
アリスの年齢と自分の年齢が、然して離れては居なかったから
けれど、時は過ぎ、僕は成長し、大人に成った
にも拘らず、僕の小さな少女への性衝動は未だに自分の中に存在している
だから、今の僕は、揺ぎ無い【アリス・コンプレックス】なのだろう、と思う
そんな僕だけれど、付き合って来た女性は、大半が年上
其れも、母親ほど齢の離れた熟女の年代が一番多かった
得る事の出来ない 快感
処女喪失を求める 衝動
痛みを伴う性への 焦燥
其れ等を抑え付ける為に、僕自身を制御出来る
そんな大人の女性と共に居るのが、好きだった
僕は【アリス・コンプレックス】で或る
求める物は、たった一つ
幼い頃に叩き付けられた歪んだ性癖が
表立って現れる事が、如何か一生 無い様に
此れも、また血なのか と
僕は決して 認めたくない
